ティップランエギング入門|魅力・道具・釣り方を徹底解説

ティップランエギングは、船からエギを真下に落としてアオリイカを狙う釣法。

繊細なアタリを穂先で感じ取り、自分で掛けにいくゲーム性の高さが最大の魅力です。

本記事では、ティップランエギングの特徴や時期・エリア、釣り方、必要な道具、釣れないときの対策まで初心者の方にもわかりやすく解説します。

ナビゲーターみさき

ティップランエギングに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

目次

ティップランエギングとは?

出典:遊漁船フレンズ

ティップランエギングは、船に乗って沖合の水深があるポイントでアオリイカを狙う「ボート専用のエギングスタイル」です。

エギを足元に真下へ落とし、船が風や潮で流される力を利用しながらエギを操作するのが特徴。

キャストを必要とせず、アタリを穂先で感じ取って「掛ける」動作が重要になるため、テクニカルな釣り方としても知られています。

ティップランの魅力

ティップランエギングで釣れたアオリイカ

ティップランの一番の魅力は、繊細なアタリをロッドのティップで感じ取り、自分で掛けにいく「ゲーム性の高さ」にあります。

キャスト不要で体力の消耗が少なく、狭いエリアを効率的に探れる点もメリット。

ピンスポットを丁寧に攻める釣り方なので、スレたイカにも効果的な釣り方です。

対象となるイカの種類

ティップランエギングで釣れるイカの種類

ティップランエギングで狙うのは、おもにアオリイカです。

秋は小型〜中型が中心で数釣りが楽しめ、晩秋から冬になると1kg超えの大型が混じるようになります。

釣れるサイズが季節によって大きく変わるため、時期に応じた狙い方を知っておくと有利です。

また、コウイカやケンサキイカが釣れることもあります。

ナビゲーターみさき

ときには、ヒラメやマゴチ、ハマチ、ハタ類などがヒットする場合もありますが、エギの傘バリの特性上バレるケースが多いです。

陸っぱりエギングとの違い

項目陸っぱりエギングティップランエギング
キャスト必要不要(真下に落とす)
探る範囲広範囲ピンスポット
アタリの取り方ラインの動きティップの動き
アプローチ横方向縦方向
ターゲットアオリイカ中心アオリイカ(大型含む)、コウイカなど

陸からのエギングでは、エギを遠投して広範囲を探りますが、ティップランエギングではエギを真下に落として船の流れを利用します。

また、アタリの取り方も異なり、キャスティングのエギングではラインに出る変化でアタリを取るのに対し、ティップランエギングではティップの微細な動きでアタリを取るのが特徴です。

時期と有望エリア

ティップランエギングは、水深があって潮通しのよいエリアが適しています。

北海道を除く全国で楽しめますが、とくに有望なエリアと時期は以下のとおりです。

大型狙いができるエリアと時期

  • 南紀(和歌山県以南):晩秋から初冬にかけて、1kg超の大型アオリイカが狙える
  • 伊豆半島・房総エリア:黒潮の影響を受けやすく、冬でも大型のチャンスがあり

数釣りが楽しめるエリアと時期

  • 若狭湾(福井〜三重):秋の数釣りに最適
  • 瀬戸内海エリア:潮流の緩い内湾でも安定した釣果が望め、秋〜冬にかけて楽しめる
  • 九州一帯(鹿児島含む):水温が高いためシーズンが長く、冬でも釣果が期待できる
狙い方エリア時期
大型狙い南紀(和歌山県以南)晩秋〜初冬にかけての大型モンスター狙い
伊豆半島・房総エリア秋〜冬にかけて1kgオーバーが狙える
数釣り狙い若狭湾(三重県含む)初秋〜晩秋に数釣りが楽しめる
瀬戸内海(広島〜香川など)秋〜冬にかけて数釣りが好調
九州一帯(鹿児島含む)秋〜翌年1月ごろまで楽しめる広範囲エリア

アオリイカのアベレージサイズは、たとえば、初秋の若狭湾などは300g前後の数釣りが楽しめるほか、冬の伊豆や南紀では1kgを超える個体も狙えるなど、エリアと時期によって大きく異なります。

ティップランエギングの道具

ティップランエギングのタックル説明図

ティップランエギングは、繊細なアタリと水深のあるポイントを攻略する釣りであり、タックルの選び方が釣果を左右します。

ナビゲーターみさき

ここでは、必要な道具を項目別に解説します。ティップランエギング初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロッド

ティップラン専用モデルをラインナップしているダイワの「エメラルダス X BOAT」出典:ダイワ

ティップランエギング専用ロッドは、穂先が繊細でアタリをしっかり捉えられるよう設計されています。

長さは6〜7フィート程度が一般的で、シャクリやジャークで誘いを入れやすい軽量かつ操作性に優れたモデルを選びましょう。

水深によってはオカッパリ用のエギングロッドで代用できる場合もありますが、重量のあるエギを使用できるティップランエギング専用ロッドがおすすめです。

60gまでのエギを操作できるロッドなら、多くのフィールドに対応できます。

ただし、釣り場によっては80〜100gのエギを使用する場合があるため。事前に釣行するエリアの遊漁船に確認しておくと安心です。

リール

シマノのエギング専用モデル「セフィアBB」出典:シマノ

リールはキャスティングエギングと同じく、2500〜3000番クラスのスピニングリールを選びましょう。

軽量で巻き取り感度が高く、スムーズなドラグ性能を持つエギング専用リールがおすすめです。

また、メインラインに細いPEを使用するので、浅溝スプール採用モデルが適しています。

ライン

サンラインのエギング専用PEライン「ソルティメイト PEエギULT HS8」出典:サンライン

リールに巻くメインラインは、PEライン一択で良いでしょう。

0.6〜1号を150mほど巻いておけば、問題ありません。

細いほど水流の抵抗を受けにくいなどのメリットはあるものの、強度面で不安があるなら0.8〜1号クラスが安心です。

リーダー1には、根ズレに強いフロロカーボンラインの2.5〜3号を1ヒロ(約1.5m)ほど結束しましょう。

エギ

ヤマシタのティップ専用エギ「エギ王 TR」出典:ヤマシタ

ティップラン専用エギは、20〜50g程度の重さがあります。

鉛の位置が下に寄っおり、沈下姿勢の安定性に優れているのが特徴です。

潮流や水深に合わせて重さを使い分けるほか、カラーやサイズのローテーションにも対応できるように用意しておきましょう。

水深10〜20mで30g程度、30〜40mなら40g程度が目安です。

ただし、潮が速いときや風が強くて船が流されるとき、深場を狙う際は専用のシンカー(10〜40g程度)を使ってウエイトを追加する場合があります。

また、重すぎるとエギの動きが悪くなり、軽すぎるとアタリが取りにくくなる点に留意しておきましょう。

ティップランエギングの釣り方

ティップランエギングを楽しんでいるイラスト

ティップランエギングでは、エギをキャストせず足元の真下へ落とします。「

では、基本的な動作とアタリの取り方を見ていきましょう。

ドテラ流しで釣る

ドテラ流しの説明図

ティップエギングの釣り方は、エンジンを止めて風や潮の流れに任せて船を流す「ドテラ流し」と呼ばれる操船方法を利用するのが特徴です。

ド船の片舷(片側)のみが釣り座となり、潮や風がないと船が流れず釣りが難しくなるケースがあります。

基本の操作手順

ティップランエギングの釣り方説明図

ドテラ流しでは、リールのハンドルを1回転させる間にロッドを1回シャクる「巻きジャクリ」が基本です。

以下の手順でエギを操作しましょう。

  • エギを海底まで沈める
  • 着底したら、リールのハンドルを1回転させる間にロッドを1回シャクる「巻きジャクリ」を3~4回行う
  • 巻きジャクリしたらロッドを止めてエギを水平移動させてアタリを待つ
  • 5~10秒ほど乗らなければ再びシャクって水平移動させるを繰り返す
  • ティップに小さな変化が出たら、即アワセ
ナビゲーターみさき

ロッドを止めてエギを水平移動させている間にイカがエギに抱きつくので、水平移動中のアタリに集中するのがコツです。

アタリの取り方

ティップランでのアタリは非常に繊細です。以下のような変化を見逃さないようにしましょう。

  • ティップが「ふわっ」と戻る
  • わずかにティップが押さえ込まれる
  • テンションが突然抜ける感覚がある

いずれも、すぐにアワセを入れるのが「即アワセ」がコツです。

アワセを入れないでも乗ることもありますが、アワセを入れたほうがフッキング率は断然高まります。

乗ったら、ポンピング2せずそのまま巻き取りましょう。

ラインが緩んだり、ロッドの角度が変わったりするとバレやすくなります。

釣れないときの打開策

ティップランエギングで釣れないに悩んでいるイラスト

ティップランエギングでは、アタリが極端に減るタイミングがあります。

「急に反応がなくなった」「隣の人ばかり釣れて自分は沈黙…」という状況に直面するケースも珍しくありません。

そんな状況では、以下の打開策を試してみましょう。

  • エギのカラーチェンジ
  • エギの重さを変更(フォール速度調整)
  • ドロッパー3(リーダーにセットする小型のエギ)を追加してアピール
  • リーダーの長さや号数を変える
  • タナ(レンジ)を上下に探る
  • 船内で釣れている人の誘い方を真似する
ナビゲーターみさき

小さな変化が大きな差につながるのが、ティップランエギングの面白さです。

乗合船での立ち回り

ティップランエギングでは、船の上での位置取りや行動も釣果に大きく影響します。

とくに、乗合船では複数の釣り人が同時に竿を出しているため、以下のように周囲との関係性や仕掛けの投入・回収のタイミングに気を配ることが大切です。

  • 船尾(トモ)は流し釣りで有利な場合が多い
  • ポイント移動が多いため、仕掛けの回収と再投入は手早く
  • 周囲とのお祭り4(ラインの絡み)を避けるため、他の釣り人との間隔や操作のリズムに注意する

基本的なマナーを守りつつ自分の釣りに集中できる環境を整えれば、イカのヒットチャンスに恵まれるでしょう。

ティップランエギングに関するよくある質問

アタリのパターンで一番多いのは?

もっとも多いのが、ティップが「シュッ」と戻るアタリです。

ラインのテンションが抜けて「フッ」と戻るアタリや、わずかにラインテンションが抜けるアタリもあります。

アワセのコツは?

違和感を感じたら、即アワセするのがティップランエギングのアワセのコツです。

取り込み方を教えて

アオリイカは身切れしやすいため、一定のスピードでゆっくりと巻き上げましょう。

ボートでは、タモを使って確実に取り込むと安心です。

とくに、大型は水面で暴れてバレる場合があるので注意しましょう。

一般的な出船形態は?

遊漁船を利用するスタイルが一般的ですが、仲間内でチャーターする方もいます。

最近は、ティップラン専用にドテラ流しで操船する遊漁船も増えているので、あらかじめ船長に希望のスタイルを伝えておきましょう。

ティップランで釣れる時期は?

秋から初冬、または春先がシーズンです。地域によっては通年狙えることもあります。

潮が速いときの対策は?

重いエギに変える、流す角度を調整する、あるいは潮の緩いポイントに移動するとよいでしょう。

ティップランに向いてない天候は?

強風や高波のときはロッド操作が難しく、アタリも取りにくいため、凪の日が理想です。

初心者でもできる?

底取りに慣れれば難しくありません。アタリを逃さない集中力が鍵になります。

ティップランで狙えるイカの種類は?

アオリイカが中心ですが、地域や時期によってはケンサキイカやヤリイカも釣れることがあります。

「ゲーム性の高さ」が大きな魅力のティップランエギング!

ティップランエギングは、テクニカルな操作が求められるボート専用のエギングスタイルです。

繊細なアタリを見極めて掛ける「ゲーム性の高さ」が大きな魅力で、初心者からベテランまで幅広く楽しめます。

タックル選びや釣り方、アワセのタイミングなどに工夫が必要ですが、コツを掴めば釣果アップも可能です。

ナビゲーターみさき

これからティップランに挑戦したい方は、ぜひ本記事を参考に準備を進めてくださいね。

脚注

  1. PEラインの先に取り付ける糸。根ズレ(海底の障害物との摩擦)に強いフロロカーボンラインが一般的に使用される。 ↩︎
  2. 魚とのやり取り中に、竿を立てたり寝かせたりを繰り返してリールを巻く動作。身切れしやすいアオリイカには不向きとされる。 ↩︎
  3. リーダーの途中に追加でセットする小型のエギ。アピール力を高め、釣果を上げるために使用されることがある。 ↩︎
  4. 釣り人同士のラインが絡み合ってしまうトラブルのこと。乗合船ではとくに注意が必要。 ↩︎
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