春から初夏にかけて盛り上がるアオリイカのエギング。多くの人が「夏はもう釣れない」と思いがちですが、実はそうではありません。今回は、夏でもアオリイカが釣れる理由や、有望な地域、釣り方のコツまでを詳しく解説します。

夏でもエギングできるの?と、疑問がある方は参考にしてみてくださいね。
夏のアオリイカはエギングで釣れない?


春の終わりから初夏にかけて、アオリイカは産卵を終えて寿命を終えます。
梅雨が明け、本格的な夏に入る頃には個体数が減り、釣果も落ち着いてくるのが通常です。
しかし、それでも釣れる可能性はゼロではありません。
以下のようなケースでは、真夏でもアオリイカの釣果が期待できます。
- 産卵時期が他の個体より遅かった
- 例外的に長寿の個体が生き残っている



このようなアオリイカが、夏でもエギングのターゲットになるんですね。
夏は“春の延長戦”として考えよう
夏のアオリイカは、春のパターンをそのまま引き継いでいます。
特別な装備や釣り方を用意する必要はなく、春の釣り方をそのまま続ければばOKです。
以下のようなことを意識しましょう。
- エギサイズは3.5号が基本
- 底を丁寧にとる
- 春と同様、藻場や潮通しの良い場所が有望
暑さで魚の活性が落ちているように見えても、釣れる個体は確実に存在します。
焦らずじっくりと攻めましょう。
狙うならナイトゲームが有利


時合いが読みづらい夏のアオリイカに有効なアプローチのひとつが「ナイトエギング」です。
- 光量が減る夕マヅメ以降は警戒心が緩む
- 釣れるタイミングが集中しやすい
- 暑さを避けて釣行できる
エギのアクションも春より控えめに、スローに行うのがコツです。



エギを底まで沈めたら軽めのシャクリでじわじわとアピールし、成長した警戒心の強い個体を狙いましょう。
夏イカ最大の課題は「時合いの読みづらさ」
春のアオリイカは、比較的「朝マヅメ」「夕マヅメ」「潮の動き出し」などで時合いが読みやすい傾向にありますが、夏はこれが通用しません。
なぜなら、夏のアオリイカには以下のような個体が混在しているためです。
- 産卵場所を探している個体
- エサを求めて回遊している個体
「この時間なら釣れる」という明確な時合いの予測が難しいので、焦らずのんびり楽しみましょう。
夏のエギングで狙い目の地域は?


夏場にアオリイカを狙ううえで重要なのが「地域選び」です。
釣果に地域差があるのは水温の上昇スピードや黒潮の影響によるものですが、地域それぞれの特徴を押さえておきましょう。
東海・関東・北陸・東北(日本海側)
梅雨明けが遅く、水温の上昇も緩やか。夏でもアオリイカの個体が残りやすく、釣果が期待できる地域です。
特徴
- 梅雨明けが遅く、水温の上昇もゆるやか
- 春に近い環境が長く続くため、遅れて成熟したアオリイカが残存している
- 海藻帯や藻場が多く、産卵個体が滞在しやすい
具体的なエリア例
新潟県~山形県沿岸部 | 夏でも朝夕の水温が低めに推移することが多く、特に夜間は活性が上がりやすい。 |
福井県三国〜越前エリア | 潮通しがよく、水温も急激に上がらないため、夏でもアオリイカの反応が残る傾向がある。 |
千葉県房総半島外房 | 黒潮の影響が比較的弱く、浅場の藻場で夏場も釣果報告がある。 |
伊豆半島の内湾部 | 外洋よりも水温変化が緩やかで、春の名残を残す藻場や磯場が豊富。 |
釣り方のポイント
- ナイトエギング中心で、ゆっくり攻める
- 濁りが入りやすいため、視認性の高いカラー(ピンク、グロー系)を活用
九州南部・四国・紀伊半島の南部(太平洋側)
黒潮の影響で水温が高く、年間を通じてアオリイカが生息しているため、夏でも有望な地域です。
釣行先の選び方次第では、真夏でも十分にエギングが成立します。
特徴
- 黒潮の影響を受け、年間を通して水温が安定
- 春イカ→秋イカ→越冬イカ→春イカと、年中入れ替わりで釣果が出る
- 春に釣れ残った大型が、真夏にも釣れる可能性がある
具体的なエリア例
鹿児島県・大隅半島・指宿エリア | 黒潮の分流が直撃するエリア。常にベイトが豊富でイカの回遊が絶えない。 |
高知県中〜西部(宿毛・土佐清水) | 太平洋の外洋に面し、潮の動きも大きい。夏でも3kg級の実績あり。 |
愛媛県南部〜宇和海 | リアス式海岸で地形変化が豊富。水深も深く、日中でも釣果あり。 |
和歌山県串本・すさみ周辺(紀伊半島南部) | 黒潮の恩恵を強く受けるが、湾内や磯場ではアオリイカが残る。 |
釣り方のポイント
- 日中はディープエリア中心、夜は常夜灯周辺で回遊待ち
- 使用するエギは3.0~3.5号が基本
夏イカのエギのサイズの選び方


夏のエギングでは、春・秋よりも幅広いサイズのエギを用意しましょう。
夏はアオリイカのエサとなる小魚のサイズもまばらで、釣れるサイズも小型から大型まで幅広く狙えるため、3号を中心にさまざまなサイズのエギを用意しておくのがおすすめです。
釣れているイカのサイズやベイトのサイズを見ながら、エギをローテーションさせましょう。
また、イカの活性が高いならラトル入りのエギを持っていると、音と動きの波動で強力にアピールできます。



夏のマズメの限られた時間に、効率よくイカを誘えるのかが釣果アップのポイントです。
夏イカを狙う際のアクション


夏のエギングであっても、見えイカを狙う際は秋のサイトフィッシングと同うように狙えます。
ただし、水深のあるエリアでは中層をメインに狙うと、回遊してくる夏のイカとコンタクトするタイミングが増えるので試してみましょう。
中層を狙う際は、はじめにエギを着底させて水深まで何秒かかるかを把握したら、次のキャストでその半分のカウントからアクションを開始します。
ショートジャークを中心に中層をキープすればキャストする回数も自然に増えて、アオリイカと出会うチャンスも増えますよ。
ヤマシタの「エギ王 LIVE」のようにアクション性能が高く、ダートアクションの得意なエギが中層狙いにおすすめです。





2~3回のショートジャークしたら、1m沈むのにかかる秒数をカウントして同じ泳層をキープし続けるのがコツです。
夏エギングに関するよくある質問
- 夏でもアオリイカは釣れるの?
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はい、釣れますが「場所とタイミング」が重要です。
多くのアオリイカは春に産卵を終えて寿命を迎えますが、一部の若い個体(新子)は夏以降に成長し、秋まで釣れることがあります。
特に水温が安定しやすい深場や潮通しの良いエリアでは夏でもチャンスがあります。
- 夏に釣れるアオリイカのサイズは?
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基本的には小型(100〜300g)の「新子」が中心です。
春に孵化したアオリイカが、夏にはまだ成長途中のためサイズは控えめですが、地域によっては1kg級の居残り個体が釣れることもあります。
- 夏のエギングは朝・昼・夜、いつが狙い目?
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日中よりも「朝マズメ」「夕マズメ〜夜間」がおすすめです。
日差しが強い昼間は警戒心が高まりやすいため、気温・水温が下がる時間帯が適しています。
夜間の常夜灯周りでは、小イカが集まりやすく狙い目です。
- 夏エギングはどこでやるのが良い?
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地形が複雑で潮通しのよい磯場や外洋に面した堤防が有望です。
内湾や港内よりも、潮が動く場所、岩礁や藻場が残っているエリアが狙い目になります。
新子は小魚を追って浅瀬に寄ってくることもありますが、プレッシャーの少ない場所を選ぶのがコツです。
- 夏に釣ったアオリイカは美味しいの?
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小ぶりでも甘みがあり、刺身や天ぷらに最適です。
新子はサイズが小さいぶん、身が柔らかく上品な味わいがあり、釣ったその日に食べると鮮度の良さが引き立ちます。
まとめ|夏でもアオリイカは狙える!春の知識を活かそう
「夏はエギングのオフシーズン」と決めつけてしまうのはもったいありません。
地域や条件を見極めれば、アオリイカは夏でも十分狙えるターゲットです。
春の知識をベースに少しの工夫を加えれば、真夏のエギングも充実に楽しめます。



今回の内容を参考に、夏もエギングを満喫してくださいね。