春はエギングにとって、秋と並ぶ大切なハイシーズン。
アオリイカの産卵期が始まるこの時期は大型サイズの個体が接岸するため、見逃せない絶好のタイミングです。
本記事では、エギング初心者向けに春のポイントやタックル、エギの選び方、シャクリ方などを解説します。

初心者の方が釣果アップするコツもまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
春エギングは上達のチャンス!


春のエギングは「釣れるだけじゃなく、自分の技術を磨く最高のタイミング」でもあります。
なぜなら・・・
- 大型のアオリイカがエギの動きに対して敏感に反応する
- 水が澄んでいる日が多く、サイトフィッシング(見える釣り)が可能
- 「どんなシャクリ(エギの動かし方)に反応したか」が目で見て分かる
つまり、イカの動き=フィードバックを見ながら釣れるので、初心者でも「なぜ釣れたか、どうすれば釣れるか」をすぐに理解できるのです。
エギの動きとイカの反応を目で確認しやすく、初心者の方の上達を早められます。



「ただ釣れる」だけでなく、「次に活かせる経験」を積めるのが春エギングの魅力です。
春エギングで釣れる時期
春エギングのメインシーズンは 3月〜6月です。
アオリイカが産卵のために浅場(シャロー)へと接岸してくる時期で、水温が15〜18℃になるタイミングがベスト。
ただし、以下のように地域によって差があるため、釣行前に海水温の情報をチェックしておくのが効果的です。
- 3月:九州・南西エリアで接岸が始まる
- 4月〜5月:本州中部〜関東エリアでハイシーズン
- 6月:東北など北部エリアがベストタイミング
春エギングにおすすめの時間帯
春のアオリイカは警戒心が強いため、釣れる時間帯を意識するのが重要です。
朝マズメ(夜明け前〜日の出後1時間)がイカの活性が最も高く、ベイトも動き出すタイミング。
夕マズメ(日没前1時間〜暗くなる直前)も朝に次いで狙い目で、産卵を控えた個体が接岸してくるチャンスです。
また、春でもナイトエギングは有効。
常夜灯周辺や静かなポイントを狙ってみましょう。



日中の晴天や人の多い場所では反応が鈍いですが、潮通しや藻場の変化があれば釣れる可能性がおおいにあります。
春エギングで狙いたいポイントとは?


春はアオリイカが産卵のために接岸するため、藻場が豊富なシャローエリアが好ポイントとなります。
足元がしっかりした漁港や堤防先端、変化のある水中構造(ブレイクライン、ロープ、潮目など)を中心に、ベイトの気配がある場所を選びましょう。
水深が浅すぎず、潮通しが良い場所が理想です。
釣り場タイプ | 特徴 |
漁港 | 安定した釣果が期待でき、足場も良好 |
堤防 | 回遊待ちに強く、サイトフィッシングもしやすい |
シャローエリア | ベイト(小魚)が豊富で、産卵行動の見られるエリア |
また、潮がぶつかる「潮目」もアオリイカの回遊が期待できます。
藻場や岩礁帯のシャロー(浅場)を中心に狙う


春はアオリイカが産卵のために浅い場所(シャロー)へやってくるシーズンです。
とくに、藻場(海藻が生えている場所)や岩礁帯(ゴツゴツした岩がある場所)は、アオリイカが卵を産みつけるための「産卵床」として選びやすいエリア。
ベイト(小魚)も豊富で、イカの回遊も活発になります。



初心者でも「水がきれいで海底が見える浅場」を探すと、サイトフィッシングのチャンスが増えます。
潮通しの良い堤防先端やゴロタ浜も狙い目


「潮通しが良い」とは海水の流れがスムーズで、新鮮な海水が常に入れ替わっている場所のこと。
こうした場所では、アオリイカのエサとなるベイト(小魚)も集まりやすく、それを狙うアオリイカの回遊も多くなります。
とくに、堤防の先端部分は、潮の流れが集まりやすく、釣果の期待値が高いエリアです。
また、ゴロタ浜(小石や岩がゴロゴロしている浜)は、隠れ家になる場所が多く、アオリイカが身を潜めやすいので狙い目になります。



初心者は、まず潮の流れがよく見える「波が少し複雑な場所」や「泡が一定方向に流れていく場所」を探してみましょう。
春エギングで使用する基本タックル


ロッド


春エギングでは大型のアオリイカに対応するため、3.5~4号のエギをキャストできるML(ミディアムライト)、もしくはM(ミディアム)のエギングロッドがおすすめです。
警戒心の強い春イカ攻略ではソフトな操作に対応できるロッドが適しており、はじめて購入するならMLが無難です。
長さはロングキャストに対応できる、8.6フィート以上を選びましょう。
リール


リールは、エギング定番の2500番のスピニングリールで大丈夫です。
PEライン0.6号を200mほど巻ければ問題ありません。
春イカの繊細なアタリを捉えるためにも、できれば軽量で高感度が期待できる高性能リールがおすすめです。
ライン


リールに巻くメインラインは、PEライン一択です。
細く感度に優れており、ロングキャストもサポートします。
号数はスタンダードな0.6号か、磯場で根ずれが気になるポイントでは0.8号を選びましょう。
リーダー


PEラインを使用する際は、必ずフロロカーボンラインのリーダーを接続しましょう。
号数は2~3号で、根ずれが気になる場所では3号を選べば安心です。
長さは1ヒロ(約150cm)を基本として、根が荒いポイントでは倍の3m取れば、海底付近を攻める際に高さのある根をかわせます。
春イカ狙いのエギの選び方4つのポイント
3.5号前後のサイズが春には最適


エギとは、イカを釣るためのルアー(疑似餌)のことです。
エギにはサイズがあり、「号数」で表示されています。
春に釣れるアオリイカは「産卵に来た大型の個体」が多いため、3.5号前後(長さ13~14cm、重さ20g前後)が基本です。
3.5号なら、大きなイカにもしっかりと存在をアピールでき、深めの水深(ボトム)も探りやすくなります。
初心者向けエギサイズの目安表
エギの号数 | 長さ(目安) | 重さ(目安) | 適したシーズン |
2.5号〜3号 | 約10〜12cm | 約10〜15g | 秋(小型のイカ向け) |
3.5~4号 | 約13〜14cm | 約20g | 春(大型イカ向け) |
カラーを使い分ける


エギのカラー選びは、春の釣果を左右する大事なポイントです。
まずは以下の2種類を使い分けてみましょう。
カラータイプ | 特徴と使いどころ | 代表的なカラー |
ナチュラル系 | 実際の小魚に似せた自然な色。晴れた日・澄んだ海水に効果的。 | クリア、ブルー、茶系、オリーブ |
アピール系 | 派手な色でイカの注意を引く。濁り・曇天・夕方や朝まずめに強い。 | ピンク、オレンジ、赤、紫、グロー(夜光) |



とくに春は天候や水の透明度が日によって変わりやすいので、両タイプのカラーを1~2本ずつ持っておくと安心です。
フォールスピードをチェック


春のアオリイカは警戒心が強く、エギに少しでも違和感を覚えるとすぐに見切ってしまいます。
じっくりとエギを見せられる「ややスローフォール」が効果的です。
潮通しが良く水深のあるポイントでは、あまりにフォールスピードが遅いと効率的に誘えません。
一方で、フォールが速すぎると繊細な春イカに見切られるリスクもあります。



とはいえ、同じフォールスピードではなく、状況に応じて適度なフォールスピードを見極めることが釣果につながりますよ。
ケイムラカラーも春エギングでは効果的


春のアオリイカ狙いで効果を発揮するのが「ケイムラカラー」のエギです。
ケイムラは紫外線を受けると、青白くぼんやりと発光する特性があります。
朝夕のマズメ時や曇天時など光量の少ない状況、またボトム付近のように光が届きにくい場所でも、自然なアピールでイカを誘えるのがメリットです。
春イカ攻略では、いかに警戒心を与えずに違和感なくエギを見せるかがカギ。



ケイムラカラーは、まさにその条件を満たす必須カラーですね。
春エギングに有効なエギのシャクリ方
ボトムステイ


春のアオリイカは、ボトム(海底)付近に潜んでいることが多く、警戒心も非常に高いため、エギをむやみに動かさない「ボトムステイ」が効果的です。
エギをボトムに静かにステイさせることで、違和感を与えず自然にアピールできます。
また、時おり小さく動かして存在感を示すことで、捕食スイッチが入る場合も。



見せて食わせる、この”間”が春エギングのコツのひとつです。
ゆったりダート


春のアオリイカは、激しいアクションを嫌う傾向があります。
そのため、キレのある鋭いダートよりも、大きくゆっくりとした自然な「ゆったりダート」のほうが、違和感を与えにくくより効果的にアピールできます。



やさしく誘って見せる、そんな繊細なアプローチが春イカ攻略のポイントです。
スローフォール


春エギングでは、エギをゆっくりフォールさせてアピールする方法も有効です。
イカが違和感なくエギを抱けるように、速すぎず遅すぎないスピードでフォールさせましょう。



エギを速くシャクるアクティブな誘いよりも、スラックを活かしてゆっくり沈めるのがコツです。
春エギングに効果的なスラック釣法については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。


初心者でもできる!春エギング釣果アップのコツ


春のエギングでは、ちょっとした工夫や意識で釣果が大きく変わります。



ここでは、初心者でもすぐに実践できる釣果アップのコツを紹介します。
潮のタイミングを読む
アオリイカは、潮の流れが出るタイミングで活性が上がる傾向があります。
とくに狙い目となるのが、「上げ潮の始まり」や「満潮前後」です。
こうしたタイミングではベイト(小魚)も動き出し、イカの捕食スイッチが入りやすくなります。
釣行前には「潮見表アプリ」などを活用して、あらかじめ潮の動きをチェックしておくと、釣果アップにつながるでしょう。
ベイト(小魚)を見つける
アオリイカは、ベイト(小魚)を追って行動するため、ベイトがいる場所にはアオリイカも潜んでいる可能性が高くなります。
小魚の群れや、ナブラ(海面がざわつく現象)、水面近くでの波紋など、周囲の変化を注意深く観察することがポイントです。
ベイトの動きを見極めることで、アオリイカの居場所をより正確に絞り込むことができます。
ボトム(海底)をしっかり攻める
春に狙える大型のアオリイカは、警戒心が強く、海底付近にじっと潜んでいることが多いのが特徴です。
エギをしっかりと底まで沈めてから、ゆっくりとしゃくる「ボトムステイ釣法」が効果的。
エギをボトムに長めに留めて見せることで、違和感を与えず、自然にイカを誘うことができます。
一杯を確実に仕留めるためには、こうした丁寧なアプローチが欠かせません。
カラーとアクションを変える勇気を持つ
エギを投げても反応がないときは、ただ同じ釣り方を続けるのではなく、「カラー」や「シャクリ方」「フォールスピード」などを積極的に変えてみましょう。
状況に応じて変化をつけることで、アオリイカのスイッチが入ることがあります。
同じパターンにこだわりすぎず、柔軟にアプローチを変えるのが釣果アップのコツです。
人が少ない「朝まずめ」「夕まずめ」を狙う
アオリイカの活性が最も高くなるのは、朝夕のマズメ時など、光量や水温が安定している時間帯です。
さらに、風がなく水面が穏やかなタイミングは絶好のチャンス。
水面が静かになることでイカの警戒心が薄れ、エギへの反応も良くなります。
こうした「時合い」を見逃さず、集中して狙うことで釣果につながります。
まとめ|春こそ、エギングを始めよう!
春のエギングは、初心者にとって「釣れて楽しい・学んで上達できる」最高のチャンスです。
- 大型のアオリイカが接岸するから釣れるサイズがデカい!
- 漁港や堤防などアクセスしやすい釣り場なら安全
- サイトフィッシングで“見て釣る”面白さも体感できる
- 日中の釣りもOKだから、気軽にチャレンジしやすい
- 失敗しても上達が早い!
エギングを始めるなら、釣果にも期待できる春が断然おすすめです。
まずは一杯のアオリイカを目指して、エギと釣り場を準備してみましょう。



春の海が、きっとあなたを待っています!